効率的な人間になりたいなら、他言語を学ぼう。
僕は自分のことを効率的な人間だとは全く思ってないけど、人に効率的だと指摘されることは少なくない。
まぁ一度に色んなことをするのが好きだから、それを効率的と呼ぶならそうなのかもしれない。(ただしどれも成功していないwwww)
前回 "他言語を学ぶと人に優しくなる" というテーマを綴ったのだが、
今回は他言語学習がどのように脳に変化をもたらすのかについて触れてみたいと思う。
まず結論から言ってしまえば、マルチリンガルの人はそうでないモノリンガルの人に比べ、効率の良い人間である傾向が強いという研究データがミュンヘン大学から出ているみたいだ。
考えてみれば、当たり前のことかもしれない。
なぜなら、マルチリンガルの人は会話をするとき、他の言語の使用を脳内で抑制し、一方で適切な言語をピックアップし、それをうまく使っていることになる。
これを科学っぽくカッコよく言ってやれば、
脳内の言語のコントロールシステムをうまく制御できている
ということだ。
加えて、マルチリンガルに育つ子供は、脳の言語中枢に灰白質が多いということが明らかになっているらしい。
少し難しい単語が出てきたが、これはつまり脳内の神経細胞が多いということである。
二つ三つの言語を同時に扱えるということはそれだけ、神経の必要とするタスクであり、それがいろいろなことを同時に行うことのできる、効率的な人間になるということにつながってくるのである。
また、他言語を扱うメリットはそこだけにとどまらず、
脳内の尾状核と前帯状皮質と呼ばれている部分の活動が高まるのだが、
これは集中力や問題解決力、共感力、衝動性行動の抑制など様々なところに関係してくる。
例えば、将来の進路などの決断が難しい問題に直面し、それでも決めなければいけないケースというのは誰にでもよくあると思うが、マルチリンガルの人間はモノリンガルの人間よりも前帯状皮質の活性が低いらしい。つまり、モノリンガルの人間よりも決断の際、余計なエナジーを消費しないということを表している。
言語学習はグローバル化や、外国人とのコミュニケーションツールとしてしか評価していない人が多いが、例えば「外国なんて興味ないし」「グローバル化?どうでもいいわ」というような人にも、勉強すると良いことがあるかもしれない。
まぁあくまで科学的な視点での話。
他言語を学ぶと人に優しくなる。
僕は現在エストニアという国でダラダラ過ごしているわけで、
日本語が通じないので、仕方なく英語を利用してコミュニケーションをとっているのだが、複数の言語を扱う科学的なメリットってなんだろう。
「他言語を話せる=外国人と会話ができる、海外で生活ができる、働ける。」
みたいなのものが、一般的で誰にでも考えなくてもわかるようなメリットだろうが、今回はもっと科学的な観点から綴ってみよう。
ある大学でこんな心理学の研究が行われていた。
子供に対し、「そこにある小さい車を取って!」と指示し、テーブルに置かれた3つのミニカーのうちの一つを取らせる。
しかし、テーブルに置かれた3つの「小さな車」のうちどの車を指されたのかは、子供にははっきりしない。
なぜなら、3つのうち一番小さいミニカーは指示者からは見えない位置にあり、指示者のいる位置からは2つのミニカーしか見えていない。子どもは一瞬迷った後、3つのうち2番目に小さいミニカー、つまり、指示者から見た場合の一番小さい車を手に取る。
この実験でテストされたのは、「他人の立場になって考える」能力である。
そしてこの研究結果によると、マルチリンガル、つまり複数の言語を扱う子どもは、一つの言語しか扱えない子供よりも、他人の立場に立って考える能力が高いということがわかっている。これは、複数の言語で他人と意思疎通を行わなければならないという状況が、他者の意図を理解する能力を発達させる、という結論に至っている。
これはどちらかといえば「社会性の向上」につながると言えるが、「人の立場になって考えれる」≒「優しい」と捉えても差し支えないだろう。
しかし、ここで海外で生活していて、日本人はやはり優しい人種だ、とよく感じるという点から、この研究結果に一つコメントをしようと思う。
これは捉え方、考え方によってくるのだが、一つの言語しか話すことのできない日本人の方が、たくさんの言語を話すことのできる欧米人よりも、他人の感情や立場をよく考慮している気がするのは気のせいだろうか。
それに、僕自身人にどんどん冷たくなっていってる気しかしないのだが...泣
まぁこれらはあくまで統計学や確率の話なので、人それぞれ違うよ、というのは言うまでもないだろう。
このデータからいえば、日本人が他言語をより上手く扱えるようになると、他民族には到底到達できない優しさや配慮の向こう側(なんじゃそりゃ)、
もはや菩薩レベルに達することができるかもしれない。(は?)
別に英語スキルなんて必要ない。
英語に限った話でなく、他言語を学ぶメリットはたくさんある。
外国人と話せるとか、頭が良くなるとか、情報のソースの幅が広がるとかね。
英語の情報量って日本語の10倍くらいあった気がする。
つまり、日本人がインターネットと言っている世界は所詮日本語Onlyのインターネットの世界であって、思っている以上にかなり狭い世界になる。
でも、他言語を使うメリットってそのくらいな気がする。
仕事で絶対英会話ができなければいけない、とかなら必須スキルになってくるけど、それ以外は別に特別必要ない。
今は翻訳アプリなどの性能も上がってるし、観光程度なら本見ながら話せば間に合うし、プレゼンなんて前日に台本丸暗記すりゃいい。
なんなら英語なんて話せないけど、世界で働く人たちって実は少なくない。
ここで僕が主張したいのは、大して興味ないのに周りのグローバル化雰囲気に流されてませんか?ってことである。
グローバル社会が注目されている故、社会全体がグローバル人材、留学、そういったものに重点をおき、あたかも全員がグローバルであることを前提にしている感じがする。
そのせいで、そこまで目的があるわけでもないのに、わざわざ大金を払って留学したりする人たちが多いが、多分他国で英語を学ぶこと以上に日本でもっとやることがあるんじゃないかな。
「留学」や「英語が話せる」というのは一般的に響きはかっこいいし、意識が高く、優秀なイメージがあるから、日本にこもって何かをしていることよりも高尚な行動な気がする。
逆に大した目標もないのに、「とりあえず必要"そう"だから」って理由で英語の勉強をしている人って(TOEICも含む)、絶対伸びないと思うし、やる気も続かないし、多分言語学習を嫌いになってしまうと思う。
本当に必要かどうかというのを、一度考えたほうがいい。
さもないと時間もお金も無駄になってしまう。
多くの人の場合、"グローバル" というかっこいい響きのせいで、本当にやるべきことを見失ってる気がする。